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2004.12.16

【はっしゃん】アップルの野望その3

今日はアップル編の続きで
ライバル企業についてです。

さて、アップルの成功を
横目で見ながら
「見事にしてやられた」
と地団駄を踏んでいるのは、
ソニーとマイクロソフトでしょう。

音楽業界の前王者と
パソコンOSの覇者は、
アップルよりもはるかに
有利な位置にありながら、
まんまと勝機を逸して
しまいました。

マイクロソフトは、
その力を利用してWindowsの全てに
Windows Media Playerを
搭載していました。

しかし、Windows Media Playerは
今まで他ソフトで出来ていたことを
OSに組み込んだだけでしたので、
それだけでは、何かが足りなかったのです。

ソニーも強力でした。
当時の日本でトップシェアの
パソコンブランドVAIOに
Sonic Stage(旧名:OPENMG-JUKEBOX)を搭載し、
傘下のソニーミュージックを中心に
音楽配信システムまで作り上げました。

さらには、パソコンでのMP3作成を
妨害するために、自ら規格提案したCDを捨て、
CCCDという業界エゴ丸出しな規格に
音楽業界を誘導したのです。

マイクロソフトやソニーは、
次世代の音楽業界を支配するために
何億円もの経費を注ぎ込んだことでしょう。

彼らが提案した著作権管理のシステムは、
彼らのお金儲けには、都合のよいものでしたが、
MP3やファイル交換ソフトの利便性を
大きく後退させる全く使えないものでした。

アップルが3年前にiPodという
小さな携帯型オーディオを発売したとき、
一部のファンは熱狂しましたが、
音楽業界は、実に冷ややかでした。

アップルの成功と
マイクロソフトやソニーの失敗は、
既得権益を持つ企業の限界を
暗示しているようにも思えます。

マイクロソフトやソニーは、
勝者であるがゆえに、
インフラやコンテンツで
利益を上げることにこだわりましたが、
デジタル音楽の利便性を向上させるための
新しい提案は、何一つしていません。

アップルは挑戦者であるがゆえに、
インフラやコンテンツを利用して、
ハードウェアで利益を上げるしか
選択肢がなかったのかもしれません。

それでも、アップルは、
マイクロソフトやソニーよりも
確かに、ユーザーサイドにありました。
デジタル音楽ユーザーのひとりとして
「アップルの勝利に祝杯」
を上げたいと思います。

ありがたいことです。

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2004.12.15

【はっしゃん】アップルの野望その2

iPodはアメリカ市場の
HDDオーディオで90%、
携帯型オーディオ全体でも70%の
シェアを持っている圧倒的な
ブランド商品です。

来年1月には、
フラッシュメモリタイプの
iPod発売が予想されていて、
さらに、シェアが高まることが
期待されています。

アップルの音楽配信サービス
iTunes Music Storeは、
このiPod、およびiTunesと密接に
リンクしている三位一体の
関係にあります。

iPodが従来の携帯型オーディオと
決定的に異なるのは、
新しいライフスタイルを
提案したことです。

ギガバイト単位の容量を持つ
ハードディスクを採用することにより、
普通の人が所有している枚数程度のCDなら
その全てをiPodにデジタルコピーして
携帯できるようになりました。

これまでのように、カセットや
CDを交換する必要がなくなり、
iPodを操作するだけで、
全ての曲から好きな曲を選んで
いつでも聴けるようになったのです。
これがソニーのウォークマン
以来の大革命になりました。

また、iPodは技術的にも
ユーザーの利便性に対する
配慮ができていました。

iPodではパソコンにつなぐだけで、
自動的に音楽ファイルを
転送することができます。

また、IEEE1394を利用した高速転送を
当初からサポートしていて、
従来なら何十分もかかっていたような
ファイルの大量コピーを
劇的に短縮しています。

そのほかにも、IEEE1394の
バスパワーを利用して
自動充電できるようにするなど、
機能面で他社をリードしていました。

iPodは、当初こそMac用だけでしたが、
Windows用でもUSB2.0に対応し、
高速転送と自動充電をサポートして、
人気が爆発しました。

オーディオラックや
パソコンのハードディスクに
埋もれていた音楽は、
iPodの登場によって、
いつも気軽に持ち歩ける
「生きたコンテンツ」に
なることができたのです。

この利便性は、従来の音楽CDでは、
とうてい実現不可能なことです。
MP3やAACなど圧縮形式の
デジタル音楽コンテンツと
大容量のハーディスクがあってこそ
なし得たものと言えるでしょう。
技術革新がライフスタイルを変えた
といってよいでしょう。

ともかく、アップルは、
iPod初代機からわずか3年で
世界の音楽業界を
手中に収めてしまったのです。
ようやく本題に入ってきました。(笑)

ありがたいことです。

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2004.12.13

【はっしゃん】アップルの野望その1

これまでに述べてきたように、
日本の音楽配信ビジネスは、
盟主であるソニーの失敗もあり、
遅々として進んでおりません。

一方のアメリカでは、
iPod、iTunesを要して
圧倒的なブランド力を持つ
アップルコンピュータによる
iTunes Music Storeの成功もあり
一気に普及してきました。

ちなみに、アップルコンピュータの株価は、
音楽事業の売上と比例するように、
右肩上がりの上昇を続けていて、
2年前の5倍以上の水準にあります。

現在iPodは、携帯型HDDオーディオの分野で
90%という圧倒的な市場シェアを持っており、
そのブランド力で市場を支配しています。
アップルは、かつてソニーが支配していた
市場をまんまと乗っ取ることに成功したのです。
iPodの成功要因については、
いずれじっくりと分析してみたいと思います。

また、音楽ソフトiTunesは、
アップルのサイトから誰でも
ダウンロードできるようになっています。
長らく、VAIO限定を続けていた
ソニーとは対照的です。

さらに、iTunes Music Storeにおいては、
すでに1億曲の楽曲販売に成功し、
音楽配信ビジネスでも70%程度の
市場シェアを占めているようです。

最近では、アップルの成功をみて
ソニーはもちろん、マイクロソフト、ヤフーなどの
世界的なメディア企業が次々と
音楽配信ビジネスへの
本格参入を表明してきました。

かつてパソコン市場において
技術力で優位にありながら、
ビジネスにおいてマイクロソフトに
屈したアップルコンピュータですが、
今や音楽ビジネスにおける
最先端企業へと変貌しつつあります。

その先行者利益は、
決して小さいものではありません。

ありがたいことです。

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