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2005.08.17

【はっしゃん】の小売業投資のすすめ

今日は、【はっしゃん】の主力投資法である
小売業投資について語りたいと思います。
長文ですが、よろしければおつきあいください。

●なぜ小売業なのか?
 小売業(ここでは消費者向けサービス業を含む)は、
 消費者にモノやサービスを売るという
 シンプルなBtoC型のビジネスモデルです。

 そして、消費者の好みというのは
 時代のニーズよって変化していきますから、
 常に新しいビジネスチャンスが
 存在している業種であるといえます。

 しかも、参入障壁が非常に低いため、
 新規参入も容易であり、
 消費者の支持を得ることができれば、
 短期間で大きく成長する可能性がある
 もっとも競争の激しい業界でもあります。

 このように成長株が多く
 シェアの変動も激しい小売業は、
 成長株投資を実践するには
 最適な業種の1つであるといえます。

●成長株を探しやすい
 人気のチェーン店があっという間に広がるのは、
 よく見かけることだと思いますが、
 小売業の成長は基本的に出店数に比例するので
 予測しやすいという特徴があります。

 単純計算すると、店舗数が2倍になれば
 売上や純利益も2倍になりますから、
 理論上は、株価も2倍になります。
 つまり、積極的に新規出店をしている
 企業を探して投資するのが基本となります。

 逆を言えば、売上が増えているところは、
 新規出店を増やしているわけですから、
 四季報をパラパラめくっていくだけでも
 簡単に成長企業を発掘できるわけです。

 また、小売業の多くは事業計画などで
 今後の出店予定を公表していますから、
 成長性についても予測できます。
 
●IR優良企業が多い
 小売業は消費者向けのビジネスなので
 コンスタントに安定した売上がありますが、
 多くの企業が月次単位の売上を
 ホームページで公開しています。 

 この月次売上をチェックすることで、
 企業の売上を毎月確認することができ、
 業績変化をいち早く予測することが可能になります。

 一転赤字とか、いきなり下方修正とか、
 企業のIR姿勢に疑問を持ったことは
 ありませんか?

 月次売上を公開している小売業は、
 業績の見通しをある程度予測できますので、
 このような想定外の損失リスクを
 回避することができます。

 このリスク管理の容易性こそが、
 小売業投資の最大のメリットだと思います。

●チャンスが身近にある
 小売業を分析していくと、
 ピカイチの成長企業が存在することが
 分かってくると思います。

 少し前ならファストリテーリング(9983)。
 最近ではブックオフ(3313)や九九プラス(3338)
 などが該当すると思います。

 それぞれ、衣料品の製造小売りモデル、
 清潔な古本屋さん、生鮮コンビニという
 新しいビジネスモデルで急成長した企業です。

 このような他社に真似の出来ない
 強いビジネスモデルを持っている
 いわゆるオンリーワン企業は、
 競争相手が存在しないため、
 あっという間に急成長していきます。

 そして、小売業は一般消費者向けの業態ですから、
 新しい店舗を見学に行ってみるとか、
 ちょっとアンテナを伸ばすだけで、
 このような有望企業を発掘できるチャンスが
 誰にでもあります。

 これも小売業投資の大きな魅力の1つだと思います。

●小売業の選び方
 ここまでの小売業の選び方をまとめると
 次のようになります。

 1.四季報などで売上や純利益の成長性を確認 
 2.月次情報を公開しているところに限定
 3.事業計画などから出店予定や出店余地を確認
 4.ビジネスモデルと同業他社や競合関係を確認

 上の4つの条件で銘柄を絞り込んでいき
 オンリーワン企業で成長余力が高い
 と判断できれば合格でしょう。

 実際には、いずれの条件をも満たすような
 スター銘柄は人気がありますので、
 PERなども割高なことが多いのですが、
 2年、3年先の成長を予測できれば、
 割安の基準も違ってくると思います。

 いろいろな企業を分析していくことで、
 企業分析のスキルも上昇していくと思いますので、
 チャレンジしてみてください。
 
●月次情報のチェック方法
 月次分析は、小売業投資の
 基本中の基本です。

 まず全店売上を前年同月比と比較して、
 進捗状況を確認します。
 前年との土日休日数の違いなどの
 不確定要因もありますが、
 基本的に今期目標と
 同レベルの増収率であれば
 問題ないと思います。

 新店効果に頼った増収の場合は、
 期初の数字が低めになりますが、
 新店オープン後に修正されますので、
 注意が必要です。 

 次に既存店の売上を確認します。
 新店に客が入るのは当たり前ですが、
 出店から一定期間以上経過した
 (計算は企業によって違う。通常は1年程度)
 既存店の前年同月比売上高は、
 重要なバロメータになります。

 人気のある店なら開店後3年くらいまでは
 リピーターが増えていきますので
 既存店売上高は100%以上になります。

 逆に既存店売上高が100%を割れていれば、
 客が離れていることを示しますから
 新規出店をしていても注意が必要
 というサインになります。

●小売業の業績予測方法
 小売業の業績は、売上と粗利(売上総利益)、
 そして販管費で決まります。

 これらの分析にはBSやPLをはじめとする
 決算書(法人会計)の知識が少し必要になりますが、
 ここでは簡単に紹介します。

pl_kaisetu

 売上は月次情報で速報されますので、
 月単位で確認することができます。

 粗利は、売上-売上原価で計算できます。
 小売業の仕入れ価格は変動が少ないので
 売上原価は、おおむね一定になります。
 従って、前年度の売上原価を流用することで
 売上が分かれば粗利も計算できます。

 次に販管費ですが、その内訳は
 給与などの人件費や広告宣伝費です。
 これらは、売上ではなく店舗数や
 従業員数などに比例します。
 つまり、過去の店舗増加数と販管費の関係から
 ある程度は予測可能になります。

 粗利と販管費が計算できると
 営業利益は、粗利-販管費となります。
 つまり、販管費は損益分岐点となり、
 粗利が販管費より多いほど利益が多くなり、
 販管費を下回れば赤字になります。

 経常利益は営業利益に
 営業外収支を追加したもの。
 そして、ここから法人税を引いたものが
 純利益になります。

 純利益を発行済み株式数で
 割ったものが1株利益(EPS)です。
 株価はEPS×PERで計算できますから、
 妥当PERが同じだと仮定すると
 EPSが2倍になれば、株価も2倍になる?
 と予測できるわけです。

 このように月次情報から妥当株価まで
 分析できてしまうわけですから
 月次情報を公開しているIR優良企業である
 小売業への投資が優れていることが
 わかると思います。

●市場が織り込んでいるか?
 月次情報を投資の判断材料とする場合 
 それを市場が織り込んでいるかどうかが
 重要な要素になります。

 例えば、好業績を織り込んでいなければ、
 サプライズとなって大きく上昇しますが、
 織り込んでサプライズがなければ、
 利益確定で逆に売られることもあります。

 一般的に、人気銘柄は織り込まれやすく、
 不人気な銘柄は意外と織り込まれていない
 傾向があるように思います。

 材料が市場に織り込まれたかどうかは、
 株価チャートを使うと分かりやすいと思います。 
 株価チャートは非常に奥の深い分野ですので、
 別の機会に紹介させていただこうと思います。

 ちなみにわたしは、明日香というチャートソフトを
 長年愛用しています。

 小売業投資、おすすめします。

ありがたいことです。

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受信: 2005.08.27 18:07

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