今日は、【はっしゃん】の主力投資法である
小売業投資について語りたいと思います。
長文ですが、よろしければおつきあいください。
●なぜ小売業なのか?
小売業(ここでは消費者向けサービス業を含む)は、
消費者にモノやサービスを売るという
シンプルなBtoC型のビジネスモデルです。
そして、消費者の好みというのは
時代のニーズよって変化していきますから、
常に新しいビジネスチャンスが
存在している業種であるといえます。
しかも、参入障壁が非常に低いため、
新規参入も容易であり、
消費者の支持を得ることができれば、
短期間で大きく成長する可能性がある
もっとも競争の激しい業界でもあります。
このように成長株が多く
シェアの変動も激しい小売業は、
成長株投資を実践するには
最適な業種の1つであるといえます。
●成長株を探しやすい
人気のチェーン店があっという間に広がるのは、
よく見かけることだと思いますが、
小売業の成長は基本的に出店数に比例するので
予測しやすいという特徴があります。
単純計算すると、店舗数が2倍になれば
売上や純利益も2倍になりますから、
理論上は、株価も2倍になります。
つまり、積極的に新規出店をしている
企業を探して投資するのが基本となります。
逆を言えば、売上が増えているところは、
新規出店を増やしているわけですから、
四季報をパラパラめくっていくだけでも
簡単に成長企業を発掘できるわけです。
また、小売業の多くは事業計画などで
今後の出店予定を公表していますから、
成長性についても予測できます。
●IR優良企業が多い
小売業は消費者向けのビジネスなので
コンスタントに安定した売上がありますが、
多くの企業が月次単位の売上を
ホームページで公開しています。
この月次売上をチェックすることで、
企業の売上を毎月確認することができ、
業績変化をいち早く予測することが可能になります。
一転赤字とか、いきなり下方修正とか、
企業のIR姿勢に疑問を持ったことは
ありませんか?
月次売上を公開している小売業は、
業績の見通しをある程度予測できますので、
このような想定外の損失リスクを
回避することができます。
このリスク管理の容易性こそが、
小売業投資の最大のメリットだと思います。
●チャンスが身近にある
小売業を分析していくと、
ピカイチの成長企業が存在することが
分かってくると思います。
少し前ならファストリテーリング(9983)。
最近ではブックオフ(3313)や九九プラス(3338)
などが該当すると思います。
それぞれ、衣料品の製造小売りモデル、
清潔な古本屋さん、生鮮コンビニという
新しいビジネスモデルで急成長した企業です。
このような他社に真似の出来ない
強いビジネスモデルを持っている
いわゆるオンリーワン企業は、
競争相手が存在しないため、
あっという間に急成長していきます。
そして、小売業は一般消費者向けの業態ですから、
新しい店舗を見学に行ってみるとか、
ちょっとアンテナを伸ばすだけで、
このような有望企業を発掘できるチャンスが
誰にでもあります。
これも小売業投資の大きな魅力の1つだと思います。
●小売業の選び方
ここまでの小売業の選び方をまとめると
次のようになります。
1.四季報などで売上や純利益の成長性を確認
2.月次情報を公開しているところに限定
3.事業計画などから出店予定や出店余地を確認
4.ビジネスモデルと同業他社や競合関係を確認
上の4つの条件で銘柄を絞り込んでいき
オンリーワン企業で成長余力が高い
と判断できれば合格でしょう。
実際には、いずれの条件をも満たすような
スター銘柄は人気がありますので、
PERなども割高なことが多いのですが、
2年、3年先の成長を予測できれば、
割安の基準も違ってくると思います。
いろいろな企業を分析していくことで、
企業分析のスキルも上昇していくと思いますので、
チャレンジしてみてください。
●月次情報のチェック方法
月次分析は、小売業投資の
基本中の基本です。
まず全店売上を前年同月比と比較して、
進捗状況を確認します。
前年との土日休日数の違いなどの
不確定要因もありますが、
基本的に今期目標と
同レベルの増収率であれば
問題ないと思います。
新店効果に頼った増収の場合は、
期初の数字が低めになりますが、
新店オープン後に修正されますので、
注意が必要です。
次に既存店の売上を確認します。
新店に客が入るのは当たり前ですが、
出店から一定期間以上経過した
(計算は企業によって違う。通常は1年程度)
既存店の前年同月比売上高は、
重要なバロメータになります。
人気のある店なら開店後3年くらいまでは
リピーターが増えていきますので
既存店売上高は100%以上になります。
逆に既存店売上高が100%を割れていれば、
客が離れていることを示しますから
新規出店をしていても注意が必要
というサインになります。
●小売業の業績予測方法
小売業の業績は、売上と粗利(売上総利益)、
そして販管費で決まります。
これらの分析にはBSやPLをはじめとする
決算書(法人会計)の知識が少し必要になりますが、
ここでは簡単に紹介します。

売上は月次情報で速報されますので、
月単位で確認することができます。
粗利は、売上-売上原価で計算できます。
小売業の仕入れ価格は変動が少ないので
売上原価は、おおむね一定になります。
従って、前年度の売上原価を流用することで
売上が分かれば粗利も計算できます。
次に販管費ですが、その内訳は
給与などの人件費や広告宣伝費です。
これらは、売上ではなく店舗数や
従業員数などに比例します。
つまり、過去の店舗増加数と販管費の関係から
ある程度は予測可能になります。
粗利と販管費が計算できると
営業利益は、粗利-販管費となります。
つまり、販管費は損益分岐点となり、
粗利が販管費より多いほど利益が多くなり、
販管費を下回れば赤字になります。
経常利益は営業利益に
営業外収支を追加したもの。
そして、ここから法人税を引いたものが
純利益になります。
純利益を発行済み株式数で
割ったものが1株利益(EPS)です。
株価はEPS×PERで計算できますから、
妥当PERが同じだと仮定すると
EPSが2倍になれば、株価も2倍になる?
と予測できるわけです。
このように月次情報から妥当株価まで
分析できてしまうわけですから
月次情報を公開しているIR優良企業である
小売業への投資が優れていることが
わかると思います。
●市場が織り込んでいるか?
月次情報を投資の判断材料とする場合
それを市場が織り込んでいるかどうかが
重要な要素になります。
例えば、好業績を織り込んでいなければ、
サプライズとなって大きく上昇しますが、
織り込んでサプライズがなければ、
利益確定で逆に売られることもあります。
一般的に、人気銘柄は織り込まれやすく、
不人気な銘柄は意外と織り込まれていない
傾向があるように思います。
材料が市場に織り込まれたかどうかは、
株価チャートを使うと分かりやすいと思います。
株価チャートは非常に奥の深い分野ですので、
別の機会に紹介させていただこうと思います。
ちなみにわたしは、明日香というチャートソフトを
長年愛用しています。
小売業投資、おすすめします。
ありがたいことです。